第20話・ラビット、飛べる鳥はただの鳥さ

[前回のあらすじ]
 ゲーム魂に火がついたラビット。
 ぶらりと立ち寄ったヨドバシカメラにて買ったゲームとは?
 果たして面白いのだろうか・・・

第20話「ラビット、飛べない鳥はただの鳥さ」

 珍しくラビが外から帰って来るやいなや、部屋に閉じこもっていた。
 (臭いな…)と思った海ちゃんは、ラビの部屋に乗り込んだ。
「ラビー、何一人で楽しんでんのよ」
 有無を言わさず海ちゃんはラビの部屋に入った。
「おいコラ!何勝手に人の部屋に入ってきてんだよ!」
 ラビにとってはプライバシーもへったくれも無かった。
「まぁまぁいいじゃないの。って何のゲームだい?それは」
 ラビは何やらゲームを買ってきたようで、一生懸命やっていた。
「今日はヨドバシで買ってきたんだよ。このカウボーイ・ビバップをね」
「は?ビバップを買ったのかよ!しかも新品だし」
「俺はビバップのファンなんだよ」
「僕だってそうだよ。[肉の入っていないチンジャオロースーはチンジャオロースーじゃねぇ]ってね」
「おう、スパイクの名言だな」
 (この言葉を知っているとは…さすがはラビ)と海ちゃんは少々驚いた。
 さて肝心のゲームの内容だが、典型的な3Dシューティングゲームだった。
 海ちゃんもさっそくやらせてもらったのだが…
「おいラビよ。すげー難しいし、ある意味クソゲーじゃねーか」
「何?ビバップを馬鹿にするのか海よ。確かにこれは最終面だから難しいが」
「ってお前はもう最終までいったのかよ!早いなぁ」
「おう、かなりやりこんだからな」
 この妙な集中力の高さがラビの凄さである。
 神様はこんなアホな奴にも才能を与えてやったのかと思うと、なんとも不条理な世界だと痛感させられてしまう。
 しばらくして…
「やったぞ海ちゃん!ついにクリアしたぞー」
「はいはい、よかったねぇ。僕はもう帰るよ」
「これを貸そうか?」
「いや…遠慮しとくよ。じゃなラビ」
「おう、また明日の朝ごはんで会おうな」
 ラビのアホらしさを改めた感じた時間だった。

[次回予告]
 次回もラビの恐ろしさを物語る出来事であった。
 当時の下宿の人たちも認めるその脅威のものとはいったい。
 
第21話 「ラビット、大食い列伝」にご期待下さい。
 
 原作 海ちゃん
制作協力 みっつ


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